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薪ストーブの歴史

薪ストーブの歴史

古くから調理や防寒の目的で火は人々の生活に欠かせない存在でした。
現在と違い、生活をしている空間が家ではなく洞窟だったので、狭く密閉された空間で焚火を行うことで大量の煙に悩まされていました。

そんな悩みを抱えながら歴史が進み、フードと煙突の付いた囲炉裏が考案されました。
囲炉裏は最も古い歴史を持つ暖房で、2世紀~3世紀の竪穴住居の時代から家の中に作られ、調理や夜間の照明に使われていました。
11世紀までのヨーロッパでは囲炉裏と似た構造の炉(火を入れて燃え続けさせておく所)を家の中で使っていましたが、天井の高さが低いため火災の心配がされていました。
そこでその問題を解決するために囲炉裏を壁の中に埋め込んだ暖炉『マントルピース』が発明されました。

しかし暖炉は構造的に高いコストが必要だったり、煙突の数や暖炉の数に応じて税金がかけられるほど高級な物だったため、18世紀~19世紀ごろまで上流階級である貴族向けの物として扱われてきました。
発明者のベンジャミン・フランクリンが「自分の開発した技術を活かしてほしい」という思いから、特許申請をしなかったことによって徐々に一般家庭にも広まるようになってきました。
1856年に函館で制作されたものが日本での薪ストーブの始まりと言われています。

イギリス船が北海道へ入港する際に、寒さをしのぐために使用していた薪ストーブを参考にしていたそうです。
明治時代には一般家庭でも使用されるようになり、この時代ではブリキ製の薪ストーブが主流でした。

薪ストーブと暖炉の違い

薪ストーブと暖炉の違い

構造や素材

薪ストーブは床や壁を守る炉台の上に設置され、薪を燃やすスペースが鉄でできている以外にガラス扉があり、ストーブ部分は建物から離れています。
ストーブの上にやかんを置いたりオーブンとしても使うなどして、より料理を楽しむことができます。

一方、暖炉は薪をくべるスペースが石やレンガなどで造られており、暖炉自体が壁に埋め込まれています。
扉がないので炎のゆらぎやはじける音など温かさ以外に冬ならではの雰囲気を楽しむこともできます。

熱効率

薪ストーブは鉄でできた本体が露出し扉で密閉しているおり放射熱を発するので、離れたところにも熱が届くので家全体が暖まりやすいです。
また、薪ストーブには早く暖まる対流式と、蓄熱性があり火が消えてからもしばらく暖かさが続く輻射式の2種類の暖房方式があります。

暖炉は薪を燃やすことでその熱の多くが煙突から直接外に出ていってしまうため、暖炉から離れた場所の空気は暖まりにくいです。

煙突の形状

薪ストーブの煙突は室内から壁の内部を抜けて煙を外に出しますが、暖炉の煙突は壁の中を通り外に抜け煙を出します。